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trip rip 四日目(chesseプチ企画)

2010年09月02日 00:05

chesseプチ企画「trip lip 四日目」です!
(三日目はソラノハナで読む事ができますv)

さーて、旅行から帰ってきた乱馬とあかね。
二人の間に進展はあるのかないのか!?
それとも、いつもの日常に戻ってしまうのか!?

気になる二人のお話は続きから★
::::::::::::::::::::::::::::::::::

trip lip 四日目


旅行から帰った翌日。
のんびり寝坊して遅めの朝飯。

「乱馬、それ食べたら きちんとさげておきなさいね」
「へーい」
「さ、母さんも出かけるからね。後はよろしく」
「ん?みんな出かけてんのか?」
「ええ、お昼は適当に済ませてくるそうだけど・・・何か用意していこうか?」
「いいよ別に。てきとーに食うから」
「そう?それじゃ行ってくるわね」

いそいそと出かけるお袋を見送って、ひとり朝飯を片付けて一息つく。
ふと使ってた湯飲みがあかねのだって事に気付いた。
オレンジの小花模様。
お袋が間違えたのか
いや・・・適当に持ってきたんだろーな。

残ってた茶を一気に飲み干す。
あかねの湯飲みかー・・・・
あいつこれでいつも飲んでるんだよな・・・
てか今朝もこれ使ってたんじゃねーかな・・・・
洗ってなけりゃ関節キス・・・・


・・・・おれ変態みてえ・・・・


他の食器と一緒にかちゃかちゃ泡立てアホな自分も洗い流す。


片づけを終えて一息つく.
普段気付かないけど、こうしてみると天道家は広い。
いつも必要以上に人が居るのが当たり前のこの家にひとりきりなんざホントめずらしくて。
慣れない広さに体の置き場所がないような落ち着かなさを感じた。

ぽかぽかと差し込む陽の光にあたり、体をうんと伸ばしてみる。

いい天気だ・・・・

そういや二日間まともに稽古してねーからな。
ちょっと体動かすか。

思い立って胴着に着替えるとひとり道場へと向かった。
誰もいない道場は静かで厳かな雰囲気だ。
まだ陽の当たらない場内。
足元の床がヒヤリと心地いい。

ゆっくり柔軟をして体をほぐす。
やっぱなまってんなー・・・
日々の鍛錬って大事だぜ・・・・


おれは道場の床を蹴ると一人組手を始めた。
拳を突き出し、踏み込んで足を狩り・・・・仮想組手と言ったところだろうか。

でも・・・だ。
なまってんのは身体だけじゃねーみてーで。

「なんなんだよ・・・・ったく」

落ちてくる汗を拭いながら、吐き捨てる。

一緒に旅行なんて、家族一緒とはいえ、何度もあったし・・・
キス未遂だって・・・・あったりもした。

なのに なんで こんな意識してんだよ・・・

いくら体を動かしても、流れるのは汗ばかりで、あかねの事が離れねえ。
いや、考えねえ様にしようと思う程

近づいた吐息が 閉じた瞳が よみがえってくる



本当は自分でわかってるんだ
あの時 「触れたい」 と、はっきり自覚しちまったせいだと。

激しく乱れる呼吸を整えながら道場の床に転がった。

「なーんでえ・・・」

見ないフリしてた気持ちを認めたら、簡単に答えが出て
ひとり道場で苦笑する

でもまだまだ・・・だよな・・・
あせることじゃねーし・・・
もっと先でも・・・我慢できるだろ?おれ。

だいたいおれは修行中の身だしな。
こんな事、親父に知られたら・・・・・

いや・・・即刻祝言だな・・・


女に現をぬかすとは何事ぞと言うどころか、むせび泣いて喜ぶ親父とおじさんが容易く想像できてゾッとした。


呼吸と思考が落ち着いたところで体を起こし、落ちる汗をぬぐった。




ぽかぽか陽気でぐんぐん上がる気温。
すっかり汗にまみれた胴着を脱ぎ捨て シャワーで汗を流すと時計は昼を回ってた。
適当に食べると言った以上、適当に食うかと、台所を漁る。
んで見つけたカップラーメンで腹を満たした。

再び静寂。

ひまだなー・・・・
おれもでかけっかなー・・・

なにげなくつけたTVを眺めながら、ぼんやり過ごす。
なんかのドラマだ。
でも おれは生憎 あまり興味がねえ。
チャンネルを変えようとリモコンを手にした。

が。

なんか男と女がいい雰囲気だ。
あ・・・ぎこちないけど男からキスした!

4-01

興味なんてないくせに、このラブシーンだけが気になって手が止まる。

画面の男のぎこちなさは、人気俳優だからか、かっこいい感じに変わって・・・・

んなっ・・・!?


脱がせるのかっ!!



・・・・・これ、他に家族が居たら相当気まずい・・・・


「ただいまー!」

玄関から聞こえた声に反射的にチャンネルを変えた。

「あれ?乱馬だけ?」
「おっ・・・おうっ。皆出かけたぞっ」
「ふうん?」


少し声がうわずった気がしたが、あかねはたいして気にもとめない様子だ。
機嫌よさげにおれの向かいに座ると、なにやら包みを取り出した。

「いいものもらったんだ。乱馬も食べる?」
「お?」

目の前に広げられた包みから出てきたのは美味そうな和菓子。

「うまそうだな。食っていいのか?」
「友達にお土産渡してきたら、お返しにもらっちゃった」
「へえ?」

おれの向こうであかねも和菓子に手を伸ばす。

「これ、昨日買ってきたのに似てるわね」
「あ?そっか?」
「ほら、試食したでしょ?どう?味は違う?」

ああ・・・・あの時の・・な。

味、おぼえてねーんだってば。

「あ、お茶入れるね」
「おう」

台所に消えてく後姿。
昨日のやり取りを思い出して
不意にまた唇を意識する。

そういや、さっきのドラマも、こんな感じで家族が留守でいい雰囲気になってたんだっけな。

「はい。どーぞ」
「あ、ああ、サンキュー・・・」

そうそう。同じだ。
こんな風にお茶手渡されて・・・それから・・・


「あーっ!あんた一人でほとんど食べたわねっ!!」

手が触れてーーてーー・・・・って。

・・・・色気より食い気かよ。
ムードねえか。おれ達じゃ。

「ばーか、こういうのは早いもん勝ちなんだよ。最後の一個もらいっ!!」
「あっ!!もーっ!!あたしひとつしか食べてないんだからねーっ!!」」
「いいじゃねーか。ずん胴治らねーぞ」
「なんですってえっ!?」
「へ?」

おれが持ってた最後のひとつ。
軽く手首を掴まれて
指先に柔らかな感触。

あかねの唇が触れた。

4-02

「えへへ。もーらったっ!」
「・・・っ」
「油断大敵よ」
「・・っくっ、食いすぎて、ずん胴が樽になっても知らねーからなっ!!」」
「だから一言多いのよ!!あんたはーっ!!」

どっかん。

あかねにぶっ飛ばされて、空の散歩を強制的に楽しむことになった。
家に戻った頃には家族も揃ってて。
二人きりなんて甘い雰囲気も更に遠のいて。

夕方にはそんな事もすっかり忘れて、いつもの日常。


で、だ。


「ねえ乱馬。今晩のおかず、キスのてんぷらとフライどっちがいい?」
「は?キス??」

思わぬ質問に思わず聞き返す。

「うん。てんぷらかフライどっちがいいかなーって、おねーちゃんとおばさまが話してたから」
「へえ・・・ま・・どっちでも・・・キス・・か」
「・・・キス嫌い?」
「へ?」

わかってるわかってるって!!
魚だって、わかってるって!!

でもな・・・・

「おめー・・・好きなの?」
「うん。好きよキス」
「・・・へえええ」

4-03

おれやっぱり変態みてーかも・・・・
ひとり怪しいおれに あかねは少しイラついたように、どちらにするのかと詰め寄る。

「天ぷらがいいわ」


そこに突然なびきの声がかぶる。

「なびきおねーちゃん」
「いいでしょ?乱馬くん」
「お?おおお。おれは別にどっちでも・・・」

含んだ笑みを浮かべ、おれを見る。
・・・なんか全て見透かされてるみてーだぜ・・・・

「わかった。言ってくるね」

にこりと笑うとあかねはパタパタと台所へ向かった。
その後ろ姿が見えなくなってなびきが改めておれを呼ぶ。

「で?あかねと二人、ずいぶん楽しい旅行だったみたいねえ」
「・・・・別に。一緒に行ったんじゃねーもん」
「へえ?てっきりキスでも してきたんじゃないかと思ってたわ」
「きっ・・・してねえよっ!!」
「へえ?ほんとに?」
「してねえ!あれは星見てただけで・・・あ!」
「やっぱり一緒だったのね」

にんまりと微笑むと手のひらをひらひらと差し出した。

「・・・・・いいよ別に。言いたきゃ言えよ」
「あらま。開き直りってわけ?」
「だってあいつと二人で泊まったわけじゃねーし。家族旅行で一緒に泊まったことだってあるんだし・・・今さらだろ」
「はーん?あんた達、本気で何もなかったのねー」
「どーゆー意味だ」
「つまんないわねー。乱馬君、あんたそんなにあかねが嫌いなの?」
「へ?」
「それとも・・・」

マジメな表情。
おれを見据える厳しい視線に 思わず喉がなる。


「男にしか興味ないとか?」


床に思いっきり突っ伏した。

「なんでそーなるんだっ!!!」
「違うの?」
「あたりめーだっ!!」
「じゃあ やっぱり ただのヘタレって事か」
「なんだと?」
「そうでしょー?目の前に可愛い女の子が居るってのに キスのひとつも できないんだから」
「けっ。おれがその気になりゃ キスくらい・・・」
「はいはい。無理に虚勢張らなくていいわよ」

なびきは ひらひらと手を振ると部屋の方へ歩き出した。

「別にそんなんじゃ・・・」
「まあ、キスでもそれ以上でも挑戦するのは構わないけどさ」
「ん?」
「いい加減なキモチで あかね泣かしたらタダじゃすまないわよ?」

そう言い残してなびきはパタパタと廊下の向こうへと消えた。

・・・・一端の武道家みてーな目しやがるぜ・・・

4-04

さんざ人の事煽ったくせにな。
って!
よく考えたら勢いに任せて とんでもねー事 言っちまったかもしれねーや・・・
そんなキモチを抱えたまま夕食。


「おいしーわね」
「いっぱい食べてね」

機嫌よく頬張るあかね。
油でツヤツヤした唇から時折のぞく舌先が艶かしくて、妙にどきどきする。

ただの欲求不満じゃねーか・・・
おれのバカヤロー・・・

「なに?あたしの顔になんかついてる?」

あまりにあかねを見すぎたのか
本人に気付かれる始末。

「いや。ふつーに目と鼻と口がだな・・・」
「なに言ってんのよ。」
「あかねに見とれてたんだ?乱馬君」
「そっ・・・そんなんじゃねー!」
「そうよ、なびきおねーちゃん。乱馬のことだから あたしのおかず狙ってたんでしょ」
「おっ、よくわかったな」
「あげないからね」
「ちぇっ。けち」
「仲良しねえ」

ごまかすように、いつものやり取りいつものけんか。

こうして妙に唇が気になった一日が過ぎてった。


::::::::::::::::::::::::::::::::::

5日目はそなさんの「ソラハナコトノハ」へと続きますv
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