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B・手首を掴む

2009年11月11日 14:05

あかねの細い手首を掴んで、すぐ側の空き教室のドアを開け、
連れ込んだと同時に閉めてあかねの背をドアに押し付けた。

「ちょっ…乱馬っ…な…に…」
「…おめーが煽るのが悪い。」
「……え?」
「まだ、わかんねえ?」
「だからっ、なによっ!」

逃れようとおれの胸を押すあかねの両手を掴み、頭の横で固定して、
大きな襟元から覗く鎖骨に吸い付いた。
「っ…!」声にならない吐息があかねの口から溢れて、おれの身体の中の血が熱くなる。

「…わかったか?」
「……………」
「男なんだよ…おれだって…」
「……………」
「鈍すぎるだろ…」
「……………」
「…悪い…もう、しねえから。」
「……………」
「…どうかしてた…な、おれ。」
「……………」

まともに、あかねの顔が見れなくって、顔を逸らしたまま思いつくまま言葉を並べてみたが、
あかねの沈黙が相当怒ってるか、泣いてるかのどっちかだろうと思わせた。

「あかねに傷ついてほしくないのに、傷つけてんのはおれ…なんだよな…。」

急に情けなさと後悔が押し寄せてきて自己嫌悪もいいとこだ。

「…バカ。最初の勢いはどうしたのよ。」
「…………へ?」

その声でバッと顔を上げると、真っ赤な顔で睨むあかねとバッチリ目があった。

「お…怒ってんじゃ…」
「怒ってるに決まってるでしょ!こんな事されたらっ!」

あかねの鎖骨にくっきりハッキリ…キスマーク。
それを自分がつけたのかと思ったら、急に顔が熱くなった。

「男の子って…」
「…………うん」
「誰にでもこんな感じで…理性飛んじゃうの?」

息がかかる距離のこの体勢で、怒ってた勢いを潜め、あかねが顔を逸らす。

「さあ…な。他の奴らの事はわかんねーよ。けど…」
「…………うん?」
「おれは…………」
「…………………」
「あかねだからだ。……………………たぶん。」
「え!?たぶんって…なにそれ!」
「しっ仕方ねーだろっっ!おれだってなあ、わけわかんねーんだよっ!あかねのそんな格好他の奴らに見せたくないと思ったら、なんか頭の中まっ白になって、自分だけのものにしたいとか思ったら押さえつけてたっつーか…………」
「……乱馬、自分で何…言ってるのかわかってる?」
「……なんか、余計なこと言ったな…おれ。」
「……………」
「……………」

「ぷっ…」
吹き出したあかねがほんの少しだけ目尻に涙を溜めて笑う。
楽しそうに笑うから、涙の意味はあえて聞かないことにした。

「ね?手離してくれる?」
「あ、ああ。」

掴まれてた手首を摩りながら向かい合わせに立つおれの肩に、
コツン、とあかねが頭を寄せる。

「…もう少し、待ってて。」

その言葉の意味の重さとか、わかりすぎるくらいにわかってるから、さ。

「言われなくたって、勝手に待ってるさ。なんだかんだ言ったって許嫁なんだからな。」

偉そうと言いながら笑うあかねが離れ、
触れてた重みを失った肩は寂しくないと言ったら嘘になるが、
今はこれでいいのだと思う。


まだ抱きしめることすら出来ないけれど。
いつも側で守るから。離れてたって守りきってみせる。


「あー・・・でも、なるべく早くお願いします。」
「なに、なんで敬語なの!?」
「おれ意外と精神修行出来てなかったみたいでさ。」
「だから、なんの話?」
「男の事情の話。」
「……そんなの知らないんだからっ!」
「~いてっ!急に殴るな!あ、待てっ、あかね!そのまんまじゃ、アレが見えるからおれの服着ろって!!」


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