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そして、廻る(初期乱あSS・第二話)

2012年04月25日 12:54

『ショッピングモールの大時計の下に11時で』

あえて、待ち合わせにした。

「お待たせ。待った?」
「いや、待ってねーよ」

いかにもデート!っていうようなありきたりな会話に
待ち合わせにして良かった、と心躍る。

「それにしても、何で待ち合わせなの?一緒に家出てくればいいのに」
「いやっ、それだと………そのっ、親父たちとかなびきがうるせーだろっ?」
「そう?んーでも、そうかもね」
「つか、あかね……今日の格好いつもと違うような……」
「え?変かな?この間買ったワンピース着てみたんだけど」
「いっ…いいんじゃねーの?おめーの寸胴も隠れるみてーだしっ」
「なんですって?」
「それにっ、かっ……かわ……いってえ!」

ちゃんと「かわいい」って言おうとした言葉はあかねの肘鉄で飲み込んでしまった。

っとに、凶暴だな…………
いや、おれも悪いか………

ゴールデンウィーク初日の今日。
二つ先の駅に出来たショッピングモールは人混みで賑わっている。
昨年出来たとかのこのショッピングモールは通路の中央が吹き抜けになっていて開放感たっぷりだ。
家族連れ、カップル、多くの人が賑わっているけども、
あかねはやっぱり目立つようで。

あかねの横を通り過ぎる男の視線が粘着質でムカつく。

「こいつはおれの許嫁だからそんな風に見るんじゃねー!」

と、言える日が来たらどんなにいいだろうな。

まあ、現実は甘くねえんだけど。
おれたちは『許嫁』って名詞で繋がってるだけだ。
その形ばかりのおれは、あかねの隣に並んで立つことが今できる牽制。

「乱馬、なんか殺気立ってない?」
「気のせいだろ」


:::::::::::::::::::::::::::::::




「ところで、乱馬のお世話になってる先輩って誰?」
「へっ?」
「だって、お礼渡したいくらいの先輩なんでしょ?ウチの高校にそんな人いるの?」

あかねを誘う口実だったから、そこまでは考えてなかった。

「あーーーーーっと、アレだ、アレ!前の中学の時の先輩っ」
「前って、あんたが中国行く前に通ってたとこ?」
「ああ」
「ふーん。ところで、どんな物がいいの?」
「例えば…なんだけどよ、あかねはどんなのもらったら嬉しいんだ?あかねの好きそうなものでいいんだけど…」
「あたし?プレゼントするのって男の先輩じゃないの?あんた男子校だったんじゃ…」
「そっ………その先輩ってのが、女みてーなもんが好きな先輩でっ、だからっ、おめーに選んでもらおうかなーと………」
「なるほどね〜流行の乙メンってやつ?じゃあ、あたしの好きな雑貨屋さんに行ってみる?」
「おう」

雑貨屋へ向かおうとしたところで、
あかねが走ってきた小さな子供を避けて反対に自分がよろめいた。

「っとに………あっぶねーな」
「ごめん、ありがと」

支える為に触れたあかねの二の腕は、思ってた以上に細くて。

「ほんと、人多いね。迷子にならないようにしなきゃ」
「だな」
「ということで、掴まっていい?」
「ふっ…服伸びるだろっ」
「じゃあ、やめる」
「いいって!冗談だから掴まれよっ!」

おれの肘のあたりを掴み、人の流れに沿って歩くからペースはいつもよりゆっくりで。
喧騒の中じゃなければ、おれの心拍音が丸聞こえなんじゃないかって、そう思う。




あかねの行動ひとつひとつが心臓に悪いショッピングは始まったばかりだ。


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