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カウントダウン(乱あSS)

2012年12月31日 02:56

大晦日、カウントダウンの小説で今年の更新最後とさせて頂きます(^_^)

ほんとに一年ありがとうございました!

という事で、前回の記事で予告してたSSを続きに置いておきますv
年末年始お忙しいとは思いますが、息抜きになれたら幸いです。

なんだか、まとまりのない文章になっちゃって反省点いっぱいなんだけど、
どうしても大晦日にUPしたかったので見逃してやって下さいませσ(^_^;)

拍手ありがとうございました!
また来年もどうぞよろしくお願い致します。




カウントダウン
countdown





大晦日の今日。
TVの紅白をのんびり観るわけでもなく天道家では年越しの宴会が行われている。

いつもは神聖かつ静かな道場も、
今夜だけはその表情を変えて、まるでどこかのパーティ会場のように輝いて見えなくもない。
かすみさんやおふくろが用意した手料理に、
シャンプー、うっちゃんが持参した店自慢の料理と、
九能家御用達の老舗料亭の盛り合わせとケーキ。

見てるだけで腹いっぱいになりそうな料理の数々と親父達には酒。

カウントダウンパーティの賑やかさは除夜の鐘の音をかき消す勢いだ。

最初はおれにベッタリだったシャンプーやうっちゃんそれに小太刀の三人は、
誰がおれとカウントダウンのキスをするかで争い始めたんだけど、
道場や料理がメチャメチャになるのを防ごうとなびきが上手く誘導し、
庭で臼と杵を使い餅をついている。

どう誘導すれば、そうなるのかわからない。

だが、つきたての餅料理でおれに「旨い」と言わせた奴が勝ちなんだと。

「当分は餅つきに集中してるから今のウチよ」

と、意味深になびきが耳打ちしてきて。
後からいくら請求されるのかすげー怖いけど、お年玉でなんとか手を打ってもらおう。

良牙にはあかりちゃんがいるし、
九能先輩は水と間違えて飲んだ日本酒のおかげで寝ちまってるし、
同じくじじいも酔いつぶれてスマキにされてら。

おれはコソッと道場を後にすると、
庭のシャンプー達に見つからないようにあかねの部屋へと向かう。


「あかねのやつ、少しは具合良くなったのかよ………」


一時間程前、シャンプー達がおれの取り合いしてんのを
呆れた顔して見てたあかねの顔色が良くないな…と思ったら。

案の定貧血気味だから部屋で休むと席を外した。

部屋までおぶってやろうかと思ってたのに、
絡んできた小太刀の腕を振りほどくのに手間取ってたら既にあかねの姿はなくて。

貧血なだけに診療兼ねて東風先生に付き添われ部屋に戻ったと、なびきから嫌みたっぷりに聞かされた。

「かすみおねえちゃんも一緒に付き添うと言ってたんだけど、さすがに止めたわよ。東風先生役に立たなくなっちゃうもの」

既に先生は道場に戻ってきていたが、
つまりは短時間でもあかねと二人きり………だったという事実があったワケで。


なんにも起こるわけがない。

あかねだって今は先生のことを綺麗サッパリ諦めてるし、
おれだって『ただの許嫁』なんだから気にすることじゃねえ。

そう思うのに。

実際は………喉がカラカラ乾くような、上手く息ができないなんて余裕なさすぎだ。




一階の階段下から、あかねの部屋を伺う。

具合が悪けりゃ寝てるんだろうけれど、
なんとなく物音がしないかどうか探ってしまう。

あかねが絡むと心が小さくなるって、情けねえな。

フッ、と短く息を吐いて階段を昇りそのままの勢いであかねの部屋をノックした。

返事がなければ引き返そうと思ってたけれど、
すぐにドアが開いて、あかねが顔を出した。

「よっ……よぉ………大丈夫なのか?」
「あ……乱馬、ちょうど良かった。入ってくれる?」

いつもなら「何しにきたのよ」とか
「シャンプーたちはどうしたのよ?」とか皮肉が先に口に出るあかねなのに。

素直に部屋に招き入れるあたり、まだ具合が悪いのかもしれない。

部屋に入ると、ヒヤリと冷たい空気が頬をかすめる。
聞けば空気を入れ替えてたようで窓を少しだけ開けているんだとか。
軽く色を乗せただけの唇が、ひと際鮮やかに見えるくらいにあかねの顔色は白かった。

「顔色……まだ戻ってねぇんだな。寝たほうがいいんじゃねーの?」
「うん………そうなんだけど、あのね……」

そう言って、おれに背を向けると着てたドレスのファスナーを指差す。

「ファスナーが噛んじゃって………ドレスが脱げないのよ。乱馬……………てくれる?」
「へっ!?ぬぬぬっ……脱がすっ!?」
「違うわよっ!!ファスナー下ろしてって頼んでるのっ!!いい?あんまり見ちゃダメなんだからねっ」
「だっ……だーれがおめーのなんか見るかっ」


「カウントダウンパーティ」と名が付くだけあって今日は皆オシャレしてた。
おれも、なびきにシャツやネクタイを貸し出され『貸衣装代』と理由つけられて何枚か写真を撮られてさ。

シャンプーやうっちゃんもいつもより着飾ってたし、
小太刀に至っては豪勢な黒いドレスでまるで悪魔の花嫁のようだった。

あかねは…………

黒の何かサラッとした布地の……シフォンって言うんだったか?
シンプルだけど胸の下で切り替えてあるミニ丈のドレスを着てて。
細い肩ひもがあかねの華奢な肩を綺麗に見せてんだ。

なんつーか……口じゃ絶対に言えないけれど、色気があってすげえ可愛くって。
九能先輩も良牙の野郎も鼻の下伸ばしてっからムカついて思わず蹴飛ばしたっけ。

そのドレスを着たあかねが、

今、おれの目の前で無防備に背中見せてるとかって………!!

正直、少し……いや結構嬉しいんだけど。

ある意味、ファスナー下げてやるだけなんて拷問に近いし。

だって、ファスナー下げた先の肌にはその………しっ……下着とかそんなの見えんだろ!!

あかねは見るなって言ってるけれど、見ないなんて不可能だろっ!!



「どう?もう少しかかる?」
「ドレス破れないように丁寧にやってるから、もう少し待てよ」

心頭滅却すれば…………!!!と心で繰り返し繰り返し唱える。
何事も修行だ、修行…………っ!!!


ファスナーが噛んじまってる布地を丁寧に取り除いたあと、
仕方ないから顔を背けてファスナーを下ろした。

視界の端に映ったブラの色。
薄い水色も悪くないな………と思うと同時に、頭をよぎる東風先生の顔。

「そういえば…なんで、東風先生に頼まなかったんだ?」

考えるより先に口が動いてた。

実際、おれが来る事なんて考えてなかっただろうから、
東風先生に頼むほうが賢明なんじゃねーのか?

「だって、着替えようとファスナー下ろしたのは東風先生が部屋から出て行った後だもの」
「そ……そうか」
「けど………今と同じ状況になったとしても、東風先生には頼めないな」
「なんでだよ」
「だって恥ずかしいじゃない……」

あかねの白い頬がほんのりピンクに染まる。

なんだよ、それ。
おれなら平気だっていうのかよ。

「ふーーーーん…………つーかさあ、おめー知ってるか?ドレスを紐を緩めて欲しいって男に言うのは『脱がせて欲しい』っていう誘い文句なんだってよ。この状況、紐がファスナーに変わっただけで、まさにそれなんじゃねーの?っと。ほらファスナー下げたぞ」

前にテレビでやってた洋画でそんなシーンがあったっけ。
ウロ覚えの知識だけど、確かそんなんだったハズ。

もちろん、こんなの意地悪だ。
あかねにそんな気はないってわかってるし、そもそもこいつは具合悪いんだし。

ただ、東風先生に恥じらいを持つ程バリバリ意識してるクセに
おれのことはただの居候扱いで男として見てねえんじゃないかって。

そう思ったら、言わずにいられなかった。

「なっ……そんなわけないじゃないっ…!!」

くるっと、おれを振り返るあかね。
ファスナーを下ろしたドレスはその勢いで腰までずり落ちる。

キャッ、と短い悲鳴で落とそうなドレスを胸までたくし上げたけど、
一瞬胸元が全部見えたおれは視線を合わせずらくって横を向く。

「そんな誘い文句初めて聞いたし……大体、そんな知識持ってる乱馬の方が下心いっぱいじゃないっ」


カチンと頭にくる、その言葉。
鈍いくせに………おれが何考えてるかわかんねーくせに。


「……自分の許嫁に下心持ってて、わ、悪いかよ」
「……え!?」

ああ、もう………
貧血のあかねを早く寝かせてやりたかったのに。

なんだよ、この展開は…………

なんなんだよ、おれ…………………本音出ちまってるぞ………


くっそ………あかねの顔、真っ赤じゃねーか………
さっきの東風先生の話の時と比べもんにならないくらい赤いじゃねーか………!


「いっ……今の何でもねえからっ!!おめーは早く着替えねえと風邪ひくぞっ……!!」

本音とあかねの反応とでわけわかんなくなって、とりあえず誤摩化そうと
あかねの肩に手を置いて、着替えを促した時だった。

「乱馬、あかね、何してるある………っ!!」
「あかねちゃん、抜け駆けなんて卑怯やないの!」
「乱馬さま、黒バラエッセンスたっぷりのお餅をお夜食に今晩はわたくしを離さないで下さいませ」
「小太刀、その餅に何か仕込んであるんやろ」
「乱馬っ、食べないほうがいいよろし。担々風あんかけ餅で熱い夜を過ごすある」
「シャンプー、勝手な事言わんといてもらおうか。乱ちゃんはうちとお好み餅を焼きながら楽しい夜を過ごすんや」


空気の入れ替えの為に、そういや少し窓が開いてたんだった。

シャンプー、うっちゃん、小太刀の三人が揃って窓からあかねの部屋にやってきて。
それぞれ自慢の餅料理片手に火花を散らせている。

「………料理対決みたいね。食べてあげたら?」
「えっ、いやっ、これは………」

あかねの冷ややかな目。
ついでに顔が青白いから迫力あるぜ………


「乙女の乱れた衣服と青ざめた顔…………!!乱馬貴様っ!!あかねさんに何をしたっ!!」
「早乙女乱馬ああああ!!天道あかねの純潔を貴様ああああああ!!」
「あっかねちゅわあああああああああんんんんっっ」

勢い良くドアが開いたと同時に流れ込んできた良牙に九能先輩。おまけにじじいまで……っ!!

面倒なのが更に増えて、どうしようもねえ。

「良牙っ、おめーあかりちゃんはどうしたんだよっ!!」
「あかりちゃんは日付が変わると起きていられないと道場でカツ錦と就寝中だっ……!!だから心配なくあかねさんの屈辱を晴らす事が出来るのだっ!!」
「おめー二股も大概にしろっ……!!」
「ちぇすとーーーー!!!」
「てめーは酒くせえんだっつーの!!…っ!!じじい!!コラッ、あかねの引き出し開けんなっっ!!」

良牙と九能をまず窓の外に蹴り飛ばし、
シャンプー達には勝者を決める際には審判のなびきが必要だと言って道場へ誘導。
残ったじじいから、あかねの下着を取り上げて夜空の遠く、星になるように投げ飛ばした。

もう、窓下では良牙と九能先輩が騒ぎ出してるから、相手しないわけにはいかねえ。

「…ほら、じじいに持ってかれそうになったやつ受け取れよ」
「あ……ありがと……」
「いっ……今のは下心なんてこれっぽっちもねえからな!」
「わ、わかってるわよっ」
「じゃ、おれ行くからな。早く寝て元気になれよ」

別に、いい雰囲気だったわけでもなんでもないけれど。

いつも通りって、まさにそうなんだけど。

……少しでもなんとか出来れば良かったのに、と後悔。

結局、変わらないまま年が開けるのかと残念な気持ちのまま、窓枠に身を乗り出す。

「初日の出、一緒に見たいな……」

振り返ると、あかねが相変わらずドレスを胸元で抑えたままでおれを見上げている。

「初日の出って……朝だよな?」
「うん」
「おめー…貧血で屋根登れんの?」
「乱馬連れてってくれる?」
「………下心あるかもしんねーぞ」
「あってもいいよ」


ザザザッ…と葉っぱが舞い上がって背中に鈍痛。
笑顔でああいうこと言うもんだから、窓を掴む手を滑らせた。


あかねはおれを殺す気かよ。
驚いて落ちるとかって……めちゃめちゃカッコ悪っ……

窓から心配そうに覗くあかねの顔。
っとに、あいつは………

「覚悟しとけよ、ばーか」

あかねが軽く手を振って窓を閉め、カーテンを閉ざす。
と同時に聞こえる良牙と九能の足音と怒声。



そして、響く除夜の鐘の音。

悪いけど、おれの煩悩は祓えねえから、神様、ん?仏様か?

どっちでもいい。なんなら、キリストだっていいくらいだ。

今度は邪魔されませんよーにっ!!とガラにもなく祈りながら、指を鳴らす。
良牙、九能先輩、手加減出来ねえからな。





ーーーーーーーーーーー初日の出まで、もう少し。







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